ヤッホー、Ellenのワイン教室です!今日はワイングラスについて♡
ワイングラスって奥が深いです。バカラやラリックといった高級ブランドから、リーデル、ツヴィーゼル、シュピゲラウ等の機能性タイプ、または木村硝子、スガハラ等の日本勢い。ブランドに加えて、形も多種多彩で、これほどグラスが複雑な飲み物は、他にあるのでしょうか。
ワイングラスの洗練された美しい外見は、度々結婚お祝い等のギフトとしても選ばれますが、初心者としては、これほど複雑なグラスから選ぶのは、少々頭が痛くなりますね。
そもそもなぜワイングラスはここまで複雑なのか、三つの角度から解説したいと思います。
ワイングラスは大きい方がいいのか?
この質問について、賛否両論ではありますので、個人的な見解を述べます。
一般的にグラスが大きいに比例し、香りのヴォリュームが大きくなるというセオリーがあります。
しかし、香りの強いワインだけが良いワインなのでしょうか。そうではないと思います。繊細で、緻密、複雑な香りのワインや、香りと味のバランスが取れているワイン等、実に様々なスタイルのあるワインの世界で、強い香りがよしというのは少々乱暴な考えではないでしょうか。
そのワインの香りを最もいい状態で感じられるグラスが最適なのです。ですので、繊細で上品なワインは、むしろ小ぶりのグラスが良いのですね。小さいグラスが出てきたからと言って、落ち込む必要は全くありません。

一方で、アメリカでは、大きいグラスが好まれます。一つはアメリカ人の体が大きいというのもあるし、もう一つは比較的に大きいグラスに適しているフルボディーのワインをよく飲まれているからなのではないでしょうか。
もちろん、グラスが大きいと、それっぽく感じさせる効果もありますね。レストランでは、テーブルセッティングのバランスや雰囲気演出など、いろいろ考え、大き目のグラスを用意する時もあります。
ただ、今は、大きすぎるグラスは派手すぎる、壊れやすい、というデメリットから、避けるレストランも増えました。
要するに、ワインは大きさではなく、飲むワインによって最適なグラスを変えるのが正解です。
ワイングラスはなぜ色んな形をしているのか?
人間の舌は部位によって、味の感じ方が異なります。両サイドには酸味、先端は甘味、後部は苦みを司っています。ワインを飲む際に、舌のどこにワインが流れ込むかによって、感じ方も変わります。

広口のワイングラスでは舌先にまずワインが触れ、細口のグラスでは舌の奥のほうにワインが接触すると言われています。そのため、酸味が特徴のワインを広口グラスで飲むと酸味ばかり強調され、苦みが特徴のワインを細口グラスで飲むと苦味ばかりが強調されてしまいます。
しかし、この違いは微妙なもので、初心者にはどれほど分かるのでしょうか。その説明より、個人的にはワインをグラスに注いだ時にできる表面積の大きさで解釈した方が納得します。表面積の広さが空気に触れる大きさとなり、香りの立ち方に影響します。
グラスの形は、スマートな「チューリップ型」と、ボールのような「バルーン」型が代表的です。

ワインの香りの広がり方が比較的に直線的に感じる場合、例えばフランス・ボルドーの赤ワインは、スラっとしているチューリップ型がよい。それに対し、フランス・ブルゴーニュの赤ワインのような、円みを持ってふくよかに広がる香りのものは、バルーン型のグラスが向いています。
分かりやすく言うと、すっきりで、喉ごしがスムーズと感じるものはチューリップ型、華やかな香り、まろやかなワインにはバルーン型がおすすめです。
なかなか文字では伝わりにくいものです、Ellenのワイン教室では、同じワインを異なるグラスで飲んでみてもらうことも企画しております。
どんなワインにどんなグラスが合いますか?
ざっくり言いますと、繊細な白ワインは小ぶり、しっかりしている白ワインやロゼは中ぶり、赤ワインは大ぶりのグラスです。メーカーによっては、ブドウ品種で、グラスの大きさや膨らみ方を微妙に調整している所もあります。
それは、ひとくぐりに白ワインといっても、ソーヴィニヨンブランとシャルドネでは香りの感じ方が全く異なるからです。 一般的には、ソーヴィニヨンブランは中ぶりのチューリップ型、シャルドネはバルーン型です。(下図)

赤ワインもそうです。 上述の通り、ボルドー(カベルネ主体)とブルゴーニュ(ピノ・ノワール)では、赤ワインと言っても、品種も作り方も異なり、全く別物です。
理想を言えば、グラスも分けた方がいいです。下図はリーデルのグラスセットですが、左からソーヴィニヨンブラン用、シャルドネ用、カベルネ用、とピノ・ノワール用です。
更に細かく、リースリング用とか、ロゼ用とかに分けているメーカーもありますが、それだときりがありません。

個人的には、上記四種類をなんとなく頭に入れ、実際は好みのワインタイプに合わせたグラスがあれば十分かなと思います。
いろいろ語りましたが、ワイングラスはあくまでも、道具の一つに過ぎず、こうでなければいけない!!というより、「自分ならどう楽しみたいのか」が大切です。それを見つけるためにも、試せる場所が必要ですよね。
大手のワイン教室や、グラスメーカー等では定期的なイベント、勉強会を開催しています。もちろんEllenの教室で体験に来ていただいても!
次は、購入するならおすすめのワイングラス、ブランドを含めて紹介できればと思います。
“大きなワイングラスは雰囲気演出のためだった?ワイングラスのひ・ふ・み” への2件のフィードバック