今日もEllenのワイン教室へようこそ!!
さて、引き続きボルドーの話題作、今回は五大シャトーのムートンの話です。
ムートンと言えば、あの毎年変わるラベルですね。

ラベルを手掛けるアーティストはピカソやシャガールなど一流アーティストの名を連ねます。
アートとワインを見事に融合しましたね♡
1973年ピカソが描いたもの
こうゆうのってコレクターの心をくすぐるに違いない。
ムートンのラベルを集めるため、オークションでコレクターは奮闘するんですよね。
なかなかうまいやり方だと思いませんか?w
ムートンのユニークな歴史
ムートンは、もともとシャトー・ラフィット(同じく五大シャトーの一つ)を所有していた2代前のオーナー、
セギュール伯爵によって基礎作りがなされ、次のオーナーの継続な努力により1級に相応しい品質のワインになりました。
1853年に、金融で大儲けしたイギリスのロスチャイルド家の一員の、ナサニエル・ロスチャイルドがムートンを購入し、
今の名前となり、新しい歴史が始まりました。
しかし、ムートンが改名した2年後の審査、誰もが1級と信じていたにも関わらず、
結果はまさかの「2級」!!
後からの推測ですが、ナサニエルがイギリス人であること(フランス人とイギリス人は仲悪いのは有名)、
そしてナポリオンの敗戦を利用して富を得たことを、フランス人は不快に思っていたのではないかと。
そんなことで2級にするとか、今だと炎上間違いなしよね
しかし、その結果を受けたナサニエルは
「1級になれなかったが2級には甘んじない。ムートンはムートンである!」
という名言を残し、1級獲得に奮起しました。

そこから、118年が経ち、ムートンは見事に1級へ昇格しました!
これが記念すべき1973年のビンテージです。
その1973年のラベルには
「1級を獲得した。以前は2級であったがムートンは昔も今も変わらない」
とフランス語で書かれている。

なんていう強さ、なんという自信!
この一言に王者のオーラを感じませんか?
(少年マンガ好きのEllenにとっては、マジこれ泣ける話だから(´;ω;`)ウッ…)
念願の1級を取り戻した。でも過去は2級だった事実は変わらない。
その理由は何であろうと、2級は2級だ。
しかし、2級でも、1級でも、ムートンは誇り高きムートンである。
それ以上でも、以下でもない
100年の月日を超え、全身全霊で誇りに思えるようなワイン造りをしてきただからこそ書ける一言だ。
もーかっこよすぎる!!!
個人的に好きな2015年のラベル
ムートンのセカンドワイン
そんなかっちょいムートンのお値段は約8万円前後。
実はムートンは新世界にもかなり前から目を付けていました。
カルフォルニアがまだワイン産地として知られる前から、カリフォルニアに進出した話も有名です。
カリフォルニアワインの父と呼ばれているロバート・モンダヴィと共に、「オーパスワン」を生み出しました。
どこかで一度は目にしたことあるではないですか。「オーパスワン」についてはまた別途お話します。
そんな時代の先端を走るムートンは、1994年より本格的にセカンドワインを生産。
若い木のぶどうを使用し、ファーストと同じ作業で経たセカンドワインです。
LE PETIT MOUTON DE MOUTON ROTHSCHILD
ル・プティムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド
最初はそこまで評価は良くなかったのですが、2005年以降品質が良くなり、
今では5代シャトーのセカンドワインで一番取引数が多い。平均価格は3万弱です。
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